うつ 心との向き合い方

「うつ」って結局のところ何だろう?

皆さん、こういったことを考えたことはないでしょうか?

 

周りの人がうつや、ストレス障害、不安障害になったときに

いろいろ調べてみて、よくわからなくなった、どうすればいいか

わからなくなった、そんな人に読んでいただければ幸いです。

 

1.そもそも「うつ」とは

2.病院に行くことは特別なことではない

3.さいごに

 

1.そもそも「うつ」とは

うつとは、心の病気ではありません

世間一般的にも、専門分野の人も、よく「心の病気」と

表現しますが、大間違いです。

なぜなら、

「心」なんてものは体のどこにもないからです。

私たちが持っているものはいつでも体ひとつです。

心も、魂も存在することはありません。

(少なくとも現代医学では)

つまり、

うつとは、体の病気なんです。

自分がうつだと疑っている人も、周りにうつ病のような人がいて、

心配されている方も、まずはこれを忘れないでください。

 

では、体のどこが悪いのでしょう?

おそらく、皆が一斉に答えられるでしょう。

そう、脳の病気です。

病気というと重く聞こえるので、マイルドにいうと

脳の体調不良です。

(まあ、死に至る場合もあるので非常に重い病気なのですが。。)

 

さてさて、それを理解してもう一歩踏み込んで「うつ」と「風邪」を

比較して考えてみましょう。

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・風邪の場合

 ⇒ 免疫力が弱っているときに、細菌が体に入り込むことで

   体調を崩して風邪にかかりやすい。

精神疾患(うつ、不安障害など)の場合

 ⇒ 精神的に不安定(脳の神経伝達が不安定)なときに、

   過度なストレスをうけたときに脳の神経伝達で

   異常が発生し、発症しやすい

※大うつ病障害を含め、うつの原因はまだ解明されていません

 ただし、脳神経系が深く関連していることは多くの研究で示唆されています

 

すごく良く似ていますね。どちらも体が弱っているときに

外的要因(ストレス)によって発症します。

※広義には、外的要因を広くストレスと呼ぶので、細菌による

 細胞への負荷もストレスの一種です

 

しかし、次に大きな違いがあります。

風邪の場合は、高熱によってストレスの原因である菌を排除することができますが、

精神疾患の原因となったストレスを排除することは

とても難しいです。

これが、うつを含めた精神疾患が再発しやすい

最大の要因であると考えられます。

風邪の原因である菌を殺しきれず、風邪がぶりかえすように

精神疾患もぶり返すのです。

逆に言うと、どのストレスが原因で発症したのかがわかれば、

それを取り除けば自然に快方に向かいます。

仕事で発症したのなら、仕事そのもの、あるいは職場を変える

家庭で発症したのなら、別居や引っ越しをする

といっても、変えたことで別のストレスを抱えたり、

複数の要因が絡み合っていたりすることもあるので

すぐに治らない場合も多いです。

結局、どうすればいいの?と言われると回答は難しいのですが、

まずは

自分のストレスの原因が何なのか

しっかりと把握しましょう

そのうえで、どうやって排除すればいいのかを考えるのです。

 

2.病院に行くことは特別なことではない

さて、前の項で下記2点をお伝えしました。

・うつは「心の病気」ではなく「脳の病気」

・ストレスの原因を明らかにすることが重要

この2つを踏まえて、体調をよくするために必要な

・脳の状態をよくする(一時的対処)

・ストレスを分析し、取り除く(恒久的対処)

を手伝ってくれる場所があります。そう、病院ですね。

 

ここで、そもそもなのですが、多くの人が精神的なことで

病院にいくことに消極的です。

それは

「自分の心が弱い、傷つきやすいだけで病気ではない」

「自分はおかしくない、異常者ではない」

といった思考によるものです。

 

この根本にあるのは、

 「心の病気」という言葉による誤解、偏見による

ものだと考えています。

心の病気と言われた瞬間、自分自身の性格や考え方、それこそ心を否定される

ような気がしてしまうのではないでしょうか。

しかし、それは大きな勘違いです。

「脳の病気」なのですから、

脳の神経系が治れば解決する話であって、

病気になったからといって

あなたの人間性、性格が否定されることでは

ありません

風邪と同じように、「最近調子が悪いんです」と気軽に病院に向かってよいのです。

私に言わせれば、「うつ」が重くとらえられているのは、

多くの人が重症化してからしか病院にいかないことが原因です。

自分ではどうにもならなくなって思い詰めてから

病院に行くのは、風邪をこじらせて肺炎になって

40度の高熱がでてから病院に行くのと変わりません。

 体調が悪いと感じたら、早めにカウンセラーにかかりましょう。

 

ここで、よくある選択肢として下の二つがあります。

精神科医心療内科

・心理カウンセラー

この二つは自身の状態とやりたいことから使い分けてください。

まず、一時的に脳の状態をよくする=薬は、病院でしか処方されません。

時間がたてば解決する、あるいはすぐに効果が出ないと

いけない状態であるなら

病院に行って薬をもらうとよいでしょう。

一方で、どれくらいストレスがかかっているのか知りたい、

ストレスの原因を突き止めたいといった内容なら、

あなたの話を親身に聞いてくれる

心理カウンセラーのほうが適切かもしれません。

また、

心理カウンセラーは心理学の専門家ですので、

ストレスのかかりにくい考え方などについても

アドバイスをくれます。

風邪でいうところの、健康的な生活習慣を教えてくれるような感じですね。

こうしたカウンセリングで、自分のストレスの原因とその対処について

相談しましょう。

また、病院でもカウンセラーがいる場合や、

医師そのものがそういった知識や資格を持って

親身に聞いてくれることもあります。

 

カウンセリングがうまくあなたとマッチするかは運も大きいので

いくつか受診してみて、あなたが好感をもてる医師、カウンセラーを探しましょう。

 3.さいごに

これまで長々とお話ししてきましたが、

「うつ」などの精神疾患について

少しでも正しく理解いただければ幸いです。

 

精神疾患は風邪と同じく、万人が発症しうるものです。

あなたが、

「心が弱いから」「甘ったれているから」

発症するものではない

ことをどうかご理解いただければ幸いです。